はじめに
2022年7月にココヘリ会員制度を運営するAUTHENTIC JAPAN株式会社 [オーセンティック ジャパン(株)]と日本山岳救助機構(jRO:ジロー)はひとつになりました
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ので、7行目ぐらい下にある「ちなみに事後分担金とは なんちゃら~」は読む必要はありません。大事なことはjROが補てんした捜索救助の過去実例把握です。
この過去事例をみますと、道迷い・体調不要から山岳登攀まで保障されています
この過去事例をみますと、道迷い・体調不要から山岳登攀まで保障されています
他の山岳保険では遭難原因が道迷いや体調不良の場合、保険金が支払われないことがあります。また、山岳登攀を対象外としているプランもありますのでご注意ください。
ちなみに事後分担金とは1年間の難救助費用補填金及び臨時費用補填金(補てん金と略)の総額をjRO会員総数で頭割したものです。
過去10年の事後分担金はマイナス100円(すなわちjRO会員への戻し金)から600円程度です。
過去の事後分担金は以下で確認できます。
jROが補てんした捜索救助事例
JRO支払実績表 2021年
月 | 遭難発生場所 | 避難事故の概要 | 被害 | 補てん金額 |
---|---|---|---|---|
1 | 北海道 キロロスキー場 | サイドカントリーでゲレンデに戻れない場所に降りてしまう。 スマホアプリで現在地を確認し、戻ろうとしたが日没で行動不能となり救助要請。 スキー場パトロール隊や雪上車が出動、23 時過ぎに付き添い下山する。2名共同遭難。 総額 116万円を1/2按分。 | 特になし | ¥580,000 |
1 | 北アルプス 白馬八方尾根 | 5人パーティでオープンバーンを滑走中、岩に衝突し負傷。仲間と警察らにより救助。併せて北アルプス北部山岳遭難防止対策協会による救助活動があった。 | 負傷 | ¥167,193 |
3 | 中央アルプス 千畳敷カール | 登山中に雪崩に巻き込まれ1m埋没。 パーティメンバーらにより救助される。併せて中央アルプス地区山岳遭難防止対策協会メンバーにより救助活動があった。 | 特になし | ¥151,932 |
4 | 蔵王 地蔵山 | 熊野岳からロープウェイ地蔵山頂駅へ仲間とスキーで下山中、同行者と離れてしまい道迷い遭難。 救助依頼を受けた山形市山岳遭難対策委員会メンバーにより救助される。 | 特になし | ¥73,484 |
5 | 北アルプス 槍ヶ岳 | 3人パーティで槍ヶ岳に登山中、飛騨乗越付近(標高3100m)で悪天候により道に迷い、滑落、死亡。 | 死亡 | ¥129,468 |
5 | 北アルプス 槍ヶ岳 | 3人パーティで槍ヶ岳に登山中、 飛騨乗越付近 (標高 3100m)で悪天候により低体温症で死亡。 北アルプス南部地区遭対協が出動。 | 死亡 | ¥386,250 |
5 | 北アルプス 蝶ヶ岳 | ※単独蝶ヶ岳から三俣登山道を下山中に転倒し、 左脛骨、左腓骨を骨折。警察、北アルプス南部地区山岳遭難防止対策協会員らにより救助される。 9日間の入院治療。 | 入院 | ¥131,707 |
6 | 山形県 鳥海山 | 2人でネマガリタケを採りに入山したが下山途中に仲間とはぐれ、行方不明となった。地元民間救助隊が出動したが発見にいたっていない。 | 不明 | ¥1,800,000* |
7 | 北アルプス 奥穂高岳 | ※単独 奥穂高岳南稜を登攀中に滑落。 他の登山者が警察に通報し、翌朝、警察ヘリにより発見、収容。 その後、死亡が確認された。 | 死亡 | ¥335,280 |
7 | 北アルプス 涸沢 | 涸沢でぎっくり腰になり行動が出来なくなる。 常駐の警備隊の救助を得て、 松本市の病院にヘリ搬送される。 | 負傷 | ¥200,000* |
7 | 北アルプス 五竜岳 | ※単独 冷池山荘から五竜山荘へ縦走中、 脱水症で体調悪化。 手足が痺れ転倒を繰り返す。 意識が朦朧として行動不能となり、山荘常駐の警備隊に救助要請、 県警ヘリにて松本市の病院に搬送される。 | 入院 | ¥52,400 |
7 | 北アルプス 涸沢 | 涸沢で体調不良により行動が出来なくなる。 常駐の警備隊の救助を得て、松本市の病院にヘリ搬送される。 低カリウム血症及びワクチン接種の副反応と診断される。 | 入院 | ¥300,000* |
7 | 南アルプス 北岳 | ※単独 大樺沢で下山中左足首を捻挫したが無理をして自力下山を続ける。左足に荷重がかかり転倒転落した。 頭部から出血し歩行困難になった。白根御池小屋スタッフに救助要請する。警察ヘリにて搬送。 | 負傷 | ¥124,686 |
7 | 北アルプス 奥穂高岳 | 穂高岳からザイテングラードを下山中に滑落。 岐阜県警警察官の通報により長野県警ヘリが救助。 心肺停止状態で死亡が確認された。 | 死亡 | ¥100,000* |
7 | 奈良県 観音嶺 | ※単独登山中にバランスを崩して滑落。 滑落時に両膝を骨折し行動不能となった。 2日後に県警ヘリにて発見、収容される。 | 入院 | ¥1,400,000* |
7 | 北アルプス 常念岳 | ※単独 雨天時、 足を滑らせて滑落。 その場で居合わせた山岳救助隊員に救助される。 | 特になし | ¥81,248 |
8 | 南アルプス 北岳 | 下山中に転倒して滑落。 白根御池小屋のスタッフに救助要請。人力で搬送、最寄りの病院に収容される。 | 入院 | ¥166,248 |
JRO支払実績表 2020年
月 | 遭難発生場所 | 避難事故の概要 | 被害 | 補てん金額 |
---|---|---|---|---|
1 | 山形県 高川山 | 単独:下山中に女坂と男坂合流地点付近で転倒。 左足首脱臼骨折。 入院42日。 | 入院 | ¥6,550 |
1 | 丸沼高原 | 単独 スノーボード滑走中転倒し、脱臼。自力走行不可となりスノーモービルにより救助された。 | 負傷 | ¥10,000 |
1 | 北ア 涸沢岳西尾根 | ※単独 奥穂高岳下山途中、涸沢岳西尾根 2900m地点で本人より警察へ 「道に迷い、ビバークする」と連絡があった。翌日は悪天候のためヘリは出動不可、 捜索隊が出動するが発見に至らず。 翌々日ヘリが出動したが発見されず地上からの救助隊がテントを発見。 さらに翌日ヘリでザックを発見、また上方に本人を確認。 最寄り警察署へ収容されたが死亡が確認された。 | 死亡 | ¥335,605 |
2 | 北ア 乗鞍岳 | スノーボード滑走中に雪崩に巻き込まれる。 消防ヘリにより救助されたが搬送先の病院にて死亡が確認された。 | 死亡 | ¥338,872 |
2 | 森吉山 阿仁スキー場 | ※単独 スキー滑走中に転倒、 左上腕骨折。 スキー場パトロールにより救助。 | 入院 | ¥20,000 |
2 | 山形県 西吾妻山 | 猛吹雪による視界不良と日没にかかるため当日下山をあきらめて西吾妻小屋に避難する。 ビバーク 2泊 3 名パーティ共同遭難、うち2名 jRO 会員。 | 特になし | ¥123,366 |
2 | 八ヶ岳 赤岳 | 堰堤広場付近で足が滑った際にバランスをくずし 1.5mほど落下。自力歩行が困難となり救助要請。 頭部切創。仙骨骨折。 | 負傷 | ¥25,360 |
3 | 北ア白馬八方尾根 | 滑走中に転倒、その際左脛骨骨折。 同行ガイド2名により応急処置後、 自力下山を試みたが受傷箇所の激痛、けいれん、めまいがひどくなり救助要請。 入院 31日。 | 入院 | ¥51,076 |
3 | 利尻山 | ツアー中の事故 沓形コース近く沢上部の斜面で転倒し左肩を強打、骨折。ガイドに付き添われ下山。 | 入院 | ¥6,520 |
3 | 鳥取県 大山 | 北壁弥山尾根東稜を登はん後、 西稜を下降中、 パーティー1名が滑落。 それを追いかけた本人も300mほど滑落した。入院あり。 骨折や靭帯損傷など全治2ヶ月。 | 入院 | ¥20,830 |
3 | 北ア 乗鞍岳 | ※単独 山スキーで下山中道迷い。 1泊ビバークあり。 救助隊付き添いで下山したが、途中で動けなくなりスノーモービルで搬送。低体温症で1日入院。 | 入院 | ¥298,608 |
3 | 八ヶ岳 赤岳 | ※単独 山頂付近にて滑落。 赤岳鉱泉まで自力下山するが行動不能となり救助要請。 他保険制度と重複のため按分。 | 入院 | ¥75,007 |
3 | 北ア 唐松岳 | 2人パーティー下山途中、悪天候のためツエルトビバーク。 夕方暴風により飛ばされ落下。 翌日早朝救助要請。 2日後に発見。 | 死亡 | ¥893,560 |
3 | 丹沢 女郎小屋沢 | 下山中に滑落、同行者により救助要請されたが死亡が確認された。 | 死亡 | ¥73,480 |
3 | 北ア 鹿島槍倉岳 東尾根 | 下山中、第一岩峰付近で懸垂下降しようとしたところ、 支点が抜け 100mほど滑落。 付近パーティの協力で 50m ほど登り返すが足を負傷しており行動不能となり17時頃救助要請。 その日はヘリが飛べず、次の日も天候不良でヘリが引き返す。翌日地上からの救助隊と合流しヘリにてピックアプ。 岩峰基部にてビバーク2泊。 | 負傷 | ¥403,510 |
4 | 八ヶ岳 中岳 | ※単独 単身赴任先の職場より自宅へ所在の問い合わせが入る。 単身赴任先の自宅にも車がなかったため家族や関係者は山に行っていると確信したが、証拠がないため警察へ「失踪届」を提出。 車の所在を捜索する。 ETC の履歴、営業中の山小屋から八ヶ岳と判断、駐車場に車を確認。 この時点で所轄へ 「捜索願」を提出。 事故発生 (推定) 2日後県警ヘリにて救助されたが死亡が確認された。 登山中に滑落した際に頭部を強く打ったと考えられる。 | 死亡 | ¥275,750 |
6 | 山梨県 櫛形山 | 下山中に木の根につまづき転倒。 その際、 右足首を骨折。 入院・手術あり。 | 入院 | ¥23,240 |
6 | 山形県 西吾妻山 | 登山道をふさぐ形で倒木があり、 回避しようとしたところ地盤が崩れ 2m ほど落下。顔面や胸を強打。 事故時の記憶なく脳しんとうのような状態になる。 同行者により救助要請。 西吾妻小屋にてビバーク。 翌日消防ヘリにて最寄医療機関へ収容される。 | 負傷 | ¥53,937 |
7 | 群馬県 四万川 | 渡渉中に流される。 事故発生2日後に下流にて発見された。 | 死亡 | ¥282,880 |
7 | 六甲山 | 足を洗いに行った同行女性が滝つぼにはまり、救助しようとしたところ溺れる。 約1時間後に発見されたが死亡が確認された。 | 死亡 | ¥400,000 |
7 | 北ア 乗鞍岳 | 岩室付近にて体力が尽き行動不能となる。 同行者により救助要請。救助隊と合流し下山。 | 特になし | ¥192,220 |
8 | 安達太良山 | 下山中に滑落、その際左肩骨折。 消防の付き添いにより下山。 | 入院 | ¥61,201 |
8 | 北ア 槍ヶ岳 | ※単独 下山中、 大曲上部にて転倒、 その際右足骨折。 遭対協により救助活動が行われた。 | 入院 | ¥120,868 |
8 | 秩父 入川渓谷 | 渓流釣りの下山中に100mほど滑落。救助隊により発見されたが死亡が確認された。 | 死亡 | ¥9,350 |
8 | 長野県 松沢山 | 登山道が不明瞭だったため分岐を誤り道迷い。 警察・消防等が捜索したが発見にはいたらず、夕方に自力下山。 謝礼費用発生。 | 特になし | ¥29,478 |
8 | 北ア 西穂高岳 | ※単独 赤岩岳、間ノ岳付近でつかんだ岩が落ちてきて巻き込まれ滑落。 右鎖骨骨折、広範囲にわたり外傷。 | 負傷 | ¥4,850 |
8 | 奥秩父 甲武信ヶ岳 | 山小屋内ではしご状の階段を降りる際に滑って転落。その際左手首骨折、顔面、 頭部も打撲。 防災ヘリにて基地まで搬送、待機していた救急車にて医療機関まで搬送される。 | 負傷 | ¥55,000 |
8 | 北ア 常念岳 | ※単独登山中に雷が出てきたため登頂をあきらめ下山中にすべって転倒。その際左頭部、左肩、胸などを強く打つ。常念小屋迄自力下山したが、 行動不能となったため救助要請左助骨骨折、血気胸、 頭部挫創、1週間入院。 | 入院 | ¥83,087 |
8 | つくば市 宝篋山 | ※単独登山中に突然倒れる。付近登山者により救助要請、 最寄医療機関へ収容されたが死亡が確認された。虚血性心疾患の疑い。 | 死亡 | ¥4,320 |
9 | 北ア 奥穂高岳 | 吊尾根を前穂高岳方面に向かって下山中に滑落、付近登山者により山小屋へ連絡、 山小屋から警察へ連絡。 同日発見したが悪天候のためヘリ搬送できず翌日ヘリにて搬送。 | 死亡 | ¥68,725 |
9 | 北ア 槍ヶ岳 | 千丈乗越付近で転倒、その際左足首をねん挫する。 ビバーク1泊。 | 負傷 | ¥15,585 |
10 | 北ア 涸沢本谷 | 涸沢カールからの下山中に転倒、その際左足を打撲、 民間救助隊が付き添い下山。 | 負傷 | ¥44,112 |
10 | 北ア 奥穂高岳 | 登山中に日没による道迷い。 警察、 付近の山小屋へ救助要請、 山小屋より2名出動、 確保しながら山小屋迄付添下山。 | 負傷 | ¥28,000 |
10 | 戸隠山 | 西岳方面より登山中、八方睨みにて転倒、その際左すね骨折。県警ヘリにて最寄り医療機関へ収容される。 入院、手術あり。 | 入院 | ¥204,654 |
10 | 飯豊連峰 玉川文覚沢 | 単独のため詳細不明。 下山日になっても連絡がないため所属山岳会から救助要請。 3日後に発見された。 | 死亡 | ¥696,824 |
10 | 白山 | 10月11日加賀新道入り口に駐車したまま下山連絡なし。 民間救助隊が捜索するが発見にいたらず。 10月17日登山者が遺体を発見。警察ヘリにて収容される。 | 死亡 | ¥971,446 |
10 | 奈良県 大台ヶ原 | 宿泊予定の山小屋へ現れなかった。現在捜索中。 | 不明 | ¥5,500,000 |
11 | 北ア 大天井岳 | ※単独 下山日になっても帰ってこないと家族より警察へ救助要請。県警ヘリがおよそ2800m 付近の斜面で心肺停止状態で倒れているのを発見、その後、死亡が確認された。 | 死亡 | ¥57,470 |
12 | 八ヶ岳 天狗岳 | 山頂手前からペースが遅くなり、 吹雪のため黒百合ヒュッテ手前にて行動不能となり、 ビバーク。 翌朝救助要請。 すばち池付近で2人を発見し、近くの山小屋まで収容される。 2名共同遭難1名死亡。 | 特になし 死亡 | ¥363,740 ¥353,740 |
12 | 八ヶ岳 硫黄岳 | 下山中に転倒、左足脛と足首骨折。民間救助隊により救助。 入院17日。 | 入院 | ¥82,240 |
12 | 八ヶ岳 裏同心ルンぜ | F1登はん中に滑落。 付近パーティーによる救助活動もあり、県警ヘリにて最寄り医療機関へ収容される。 1か月ほど入院。 | 入院 | ¥526,807 |
12 | 赤石岳 | ※単独 椹島から入山。 12月31日、 本人からの要請を受け警察や民間救助隊が捜索したが発見にいたらず。5月30日小赤石岳付近で発見した。 | 死亡 | ¥2,146,488 |
最後に
過去事例をみて、「自分は低山しか行かないから関係ないや」と思われる方が大半だと思います。その通りだと思います。
ただ、
関東でいえば、高尾山ですら遭難や滑落死(四号路)は起きています。保険に対する考え方は人それぞれですが山岳保険への加入をご検討くださいませ。(私も山行スタイルが低山限定、雪山には近づかないのときは加入していませんでした)
内容に誤りなどございましたらご指摘いただけますと幸いです。なお、2020年1月から2021年8月までの20ヶ月分の捜索救助概要は以下のPDFで確認できます。
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