
薄紫の妖精と桃紅の渓谷、笠置と月ヶ瀬の花めぐり
笠置山、薄紫の妖精に出会う朝
最初の目的地は、ユキワリイチゲがひっそりと咲く笠置へ。淡い紫の花びらは、まるで森の奥で息をひそめていた春の精のよう。光に触れるたびにふわりと色を変え、見る人の心をやさしくほどいてくれます。
花を愛でたあとは、そのまま笠置山の山頂へ。ここは古くから修験の道場として知られ、信仰の気配が今も濃く残る山。花崗岩がむき出しになった山中には、奇岩・怪石が次々と現れ、岩好きにはたまらない“自然の造形美の宝庫”です。
月ヶ瀬梅林、桃紅の渓に満ちる春の息吹
午後は、奈良の名勝・月ヶ瀬へ。ここでは白、桃、紅の梅が渓谷一帯を染め上げ、“桃紅の渓谷”という言葉がそのまま景色になったような世界が広がります。特に「一目八景」からの眺めは圧巻。名張川の流れに沿って梅が連なり、谷を包むように咲き誇る花々が、春の色を幾重にも重ねて見せてくれます。風が吹くと、梅の香りがふわりと漂い、歩くだけで心がやわらかくほどけていくような時間が流れます。
月ヶ瀬温泉、花の色に満たされた一日の締めくくり
花の色に満たされた一日の締めくくりは、名張川を望む月ヶ瀬温泉でゆったりと。湯けむりの向こうに広がる渓谷の景色は、歩いた道の記憶をそっと包み込むように穏やかで、一日の締めくくりとしてふさわしいひとときです。
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